b型肝炎を持つお母さんの分娩時の注意点とは

B型肝炎とはどのような病気なのか、赤ちゃんへの感染はあるのかについて触れていきます。B型肝炎とはウイルスの1種で日本ではB型肝炎ウイルス保有者は約150万人もいると言われています。ウイルスを保有していても病気として発症していない人もいますので、自分では気がつかないうちに病気が進行していたという場合もありますし、赤ちゃんを授かったときの検診を行った際にはじめて気づくという人もいます。


B型肝炎とは

B型肝炎とはB型肝炎ウイルスというウイルスの1種に感染することによって起こる肝臓の病気です。肝臓は沈黙の臓器ともいわれるほど自覚しにくいため病気の発見が遅れるケースも多くあります。特に病気として有名なものは、肝硬変、肝細胞癌です。

肝硬変は肝臓の中にある肝細胞が、破壊と再生を繰り返すことによって周りの細胞が固く変化して肝臓自体を硬く変化してしまうため、通常は平らな肝臓の表面の細胞が死んでしまうことによってデコボコに変形した状態になってしまったことを言います。

肝硬変になると肝臓が固くなるため血流量は減少してしまうので肝機能全体が低下してしまいます。肝機能が低下すると肝臓の痛みとしては現れませんが、体内のほかの場所に症状が現れます。肝機能低下でよく見られる症状は黄疸です。

正常な場合は古くなった赤血球を破壊し、胆汁中に捨てる作用を肝臓が行います。しかし、 肝機能低下が続くと正常に働くことができないので、破壊した赤血球で作られたビリルビンという黄色い色素が臓器や組織などに蓄積してしまうため皮膚や粘膜が黄色くなる黄疸を発症します。


赤ちゃんを守るための母子間ブロックとは

B型肝炎は血液を介して感染します。遺伝と言われることもありますが遺伝ではありません。注射針の使いまわしや輸血によって感染するケースが多かったのですが、1986年に母子間ブロックが実施されるようになる前には母子感染で感染するケースが多かったというのも特徴です。

母子間ブロックとは、日本では母子感染防止対策事業の一つになっていて、お母さんがB型肝炎ウィルスに感染している場合に生まれてくる子どもに感染させないための公費負担(保険適用)のことを言います。内容は、通常は出生後12時間以内の赤ちゃんに抗HBs人免疫グロブリンを皮下注射する、生後1ヶ月後と6ヶ月後の赤ちゃんにB型肝炎ワクチンを皮下注射するというものです。関連|B型肝炎 弁護士 - アディーレ法律事務所

これらの方法によってお母さんから生まれてくる赤ちゃんの産道による感染を防ぐことを目的にしていて1986年より実施されており、90%以上の確率で母子感染が防げています。

B型肝炎から、赤ちゃんを守るための予防方法とは

性行為を行うときにはコンドームの着用をすることが重要です。B型肝炎の主な感染経路は血液や体液によるものになりますので、事前にコンドームを着用することによって未然に防ぐことが可能になります。また、肝臓機能の低下によって引き起こされる疲労が原因で感染する可能性もありますが、生活習慣を見直すことによって改善されます。

たとえば睡眠不足、不規則な食事、運動が少ないといったことに当てはまるようでしたら下記を参考に試してみましょう。肝臓に良いものを食べることも予防にとって有効です。ブロッコリーや芽キャベツ、ニンニク、玉ねぎ、りんご、グレープフルーツなどが肝臓への栄養効果が高いと評価されています。

これらのものは破壊された肝臓の機能修復に使われる栄養素になります。生活習慣で気をつけたい点は鉄分、脂質を控えること、飲酒を控えること、肥満にならないようにすることなどが挙げられます。鉄分は肝臓の機能を弱めますので、鉄分の多い食品を控えることで肝機能が改善することが多数報告されています。

鶏や豚のレバーをはじめパセリ、卵黄が鉄分を多く含んでいます。もし鉄分の多い食品を摂る場合はお茶やコーヒーと一緒に取ると、お茶やコーヒーに含まれているタンニンが鉄分の吸収を阻害してくれるため一緒に摂ると良いです。

お酒の場合はお酒に含まれるアルコールの分解を肝臓が行いますので多量に飲むことは肝臓に過度の負担をかけてしまいます。お酒による肝疾患をアルコール性肝疾患と呼びますが最終的には肝硬変となります。アルコール摂取は適度が良いとされていますので、肝臓に負担をかけない為には、お酒の量を減らしたり、飲む回数を減らしたり、アルコール度数の低いお酒に変えるなどの方法を取ることで予防に繋がります。

肥満は肝臓への負担が大きくなり肝臓疾患の発症率を高めると言われています。そのためダイエットを行うことも良いのですが、間違った方法では肝機能を悪化させてしまう恐れもあります。肝臓に負担をかけてしまいやすい食べ物はタンパク質が多い食品です。

鶏のささみやプロテインなどが当てはまります。たんぱく質は肝臓で分解する際に時間を要しますので肝臓を休めることができず負担をかけてしまいます。ダイエットなどで肥満解消をしたい場合は、タンパク質を多く摂らない減量方法を考えた方が良いです。

B型肝炎を発症した場合は

生活習慣を見直して食事や運動を心がけて予防策を行っていても、肝機能が低下してB型肝炎を発症する可能性はあります。B型肝炎の治療方法は抗ウイルス治療を行います。抗ウイルス治療を行うことによって慢性肝炎の沈静化(血液検査でALTの正常化)をさせて肝硬変への移行や肝細胞癌発症の阻止に努めます。

肝細胞癌になってしまったり、肝硬変になってしまったり、脾臓肥大してしまったりと、肝臓や肝臓周辺の臓器に問題が生じた場合は手術を検討します。手術と聞いて驚かれる人もいると思いますが、現在の手術は進化していますので肝臓の半分以上を切り取ったとしても体内に残った肝臓が新たに細胞を作り出して肝臓を再生してくれます。

手術しないことが一番良いのですが、手術を提案されている場合は安心して医師の指示に従って治していきましょう。


B型肝炎を持つお母さんの赤ちゃんへの対応とは

妊娠中はHBe抗原検査を必ず受けましょう。これは、B型肝炎ウイルスが赤ちゃんに感染しやすいかどうかを調べるための検査です。検査結果がHBe抗原陽性のときは赤ちゃんへのB型肝炎ウイルスの感染率は100%になります。

この場合はお母さんが85〜90%の確率でHBVキャリア、つまりB型肝炎のウイルスを持っていることになります。反対にHBe抗原陰性のときの赤ちゃんへの感染率は10%程度となっていますが、急性肝炎や劇症肝炎をおこす可能性がありますので、必ず赤ちゃんにとって安全だとは言い切れません。

また、お母さんの母親がB型肝炎ウイルスを持っている場合はHBVキャリア(B型肝炎の保有者)である可能性があります。お母さんに肝炎の症状が無い場合や肝機能異常がない場合でも母子ともに健康状態でいるためには定期的な健康診断や血液検査を受けることが最適です。

また、場合によっては帝王切開を行う方法もありますが、日本ではB型肝炎の母子感染防止にワクチン接種が行われています。厚生労働省のB型肝炎母子感染防止事業で行われるものなので公費となっていて無料で行えます。

そのため、母子感染防止のために帝王切開が行われるということは現在では聞かなくなりました。B型肝炎を持つお母さんも出産時は肝炎を持たない妊婦さんと同じように自然分娩を行っていますので安心して分娩できます。